【第一弾:“位置”を活用したい!】【更新】 | 神奈川の不動産投資、新築アパート経営は横濱コーポレーション

-
【第一弾:“位置”を活用したい!】
【第一弾:“位置を活用したい!”】
こんにちは、賃貸管理部の秀島です。
今回は、昨年から今日にかけて参加した講習会で学んだことをご紹介したいと思います。
様々な講習会や研修に参加した経緯を簡単に説明しますと、私の趣味の一つに「古代の歴史がとっても大好き」と「歴史の探求に付随する化学がとっても大好き」というものがあります。そしてそれらの趣味を堪能する中で、不動産とは切っても切り離せない知識があることに気が付きました。
私は不動産会社に従事しておりますので、不動産業界の知識は日々取り込んでいかなければなりませんが、その中でも自分がプライベートで興味があることと重なる部分があれば勉学も苦ではありません。
そこでその重なる部分を探し、それを学べるところがあれば参加することが私のさらなる趣味の一つとなりました。
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------
△Googlemapで見る神奈川県 左:大気質 中央:衛星画像 右:ストリートビュー対応箇所
【地理情報システムとは?】そして参加したもののひとつ目がが地理情報システムのArcGIS Proの講習です。このシステムは、建設業界や、電気ガス水道事業、都市開発などその他公共事業などに利用されます。
みなさんはグーグルマップやカーナビを使った事がありますか?不動産業界はGISから多くの恩恵を受ける業界の一つで、例えば物件の周辺環境を調べたり、ハザードマップによって災害が起こる可能性がある地域をあらかじめ知る事ができ、私たちも業務内で利用する事は少なくありません。
そもそも地理情報システム(GIS)とは、国土地理院の公式HPページを参照すると「地理的位置を手がかりに、位置に関する情報を持ったデータ(空間データ)を総合的に管理・加工し、視覚的に表示し、高度な分析や迅速な判断を可能にする技術」で、簡単に言うと人工衛星によって取得された地理空間情報のデータを活用したシステムということになります。
私たちは3次元に生きていますので、数値化されたXYZ軸から位置情報を把握し、何がどこにあるのかデータで知る事ができます。難しい概念ですが、GISによって数値が可視化されることで、地図アプリなどのメタデータとして私たちが気軽に活用できるのです。〔不動産会社が導入すると…?〕
では具体的に、不動産業界はどう活用できるのか?
製造業界に「コンカレントエンジニアリング」という概念があります。一つ、あるいは最低限のシステムによって、上流から下流の業務のデータを管理し、隣り合う部署と同時進行で業務を進めていく考え方です。不動産会社や建築会社が導入すると、プロジェクトが円滑に進むことで引き渡しまでの期間を短縮でき、必要なシステムを減らせるのでコスト削減に繋がるという利点があると考えます。
土地を仕入れ、建物を建築して販売し、部屋を貸し出して管理する一連の流れに共通して必要なのは、物件の現況と情報がリアルタイムでわかることです。その他、部署ごとに必要なデータは様々ですので、地形データや数値データを最善の状態に組み合わせていきます。それらを全て1枚のマップで管理できれば、上記の利点を実現できるはずです。
具体的な導入のメリットは各セクションによってご紹介します。≪土地の仕入れ≫
◇市場調査と競合分析
GISを使って特定の地域の物件情報を地図上で視覚化し、立地条件を分析すると、顧客に対して最善な立地を提案することが可能になります。また、競合物件の分布をマッピングすることにより、適切な価格設定や販売戦略をより効果的に立てることが可能です。
◇物件の価格評価
周辺環境(商業施設・交通など)との距離やアクセス性を考慮し、物件の価値を予測できます。
◇土地開発と再開発
都市計画情報をGISに統合することで、今後の開発計画やインフラ整備が予定されているエリアを把握し、投資戦略に活用できます。
≪施工管理≫
◇現場の可視化
- 土地の地形や標高データを可視化し、施工前に地盤や周辺環境を細かく確認でき、現場の条件に合わせた施工計画を立てやすくなります。また、土地の境界線を正確に把握できるので、施工時のトラブルを避けることもできます。
◇進捗のモニタリング
- 現場の進捗状況をGISに入力することで、工事がどの段階にあるかを地図上で確認できます。作業の遅れや問題点を迅速に把握でき、対策がしやすくなります。GISで作業員や機械の配置状況をリアルタイムで把握することで、現場の効率化や安全管理が向上します。
◇インフラ・データ統合
地下のインフラ(上下水道・ガス管・電力ケーブルなど)や周辺施設(交通機関・病院・学校など)の位置情報をGISに統合し、施工計画に影響を与える要素を事前に確認ができます。
≪物件の販売≫
◇顧客マーケティング
- 顧客のニーズや購買履歴を元に、ターゲットとする地域をGISで特定し、マーケティング活動を最適化できます。また、地域ごとの人口動態や住宅需要を把握し、需要が高いエリアでの販売活動を強化できます。
◇投資リスクの予測
- 人口増加や減少、土地利用規制の変更、経済動向など、地域の市場リスクを予測できます。土地の価格や物件価格の予測モデルをGISで作成し、今後の価格上昇または下落のリスクを把握することができます。
◇インフラ整備
新しい道路、鉄道、空港などのインフラが整備されるエリアを可視化し、投資用物件の価値に与える影響を分析できます
≪賃貸管理≫
◇プロパティ管理
- 所有する不動産の位置情報や状態(対応履歴・賃貸状況など)をGISで管理することで、維持管理業務を効率化できます。例えば、修繕が必要な物件の位置を地図上で、優先順位をつけて管理できます。物件の位置情報、契約状況などをGISと組み合わせて管理することで、物件ごとの収益性を把握し、収益向上を目指すことができます。
◇災害リスクの分析
- GISを活用して、地震、洪水、津波、土砂崩れなどの自然災害のリスクマップを作成し、災害が多発する地域にある物件に対して、適切な対策を講じることができます。
◇アプリケーションの活用
- GISを活用して、顧客が物件を地図上で探せる機能を提供できます。例えば、物件情報を地図上で絞り込み、価格帯や物件タイプ、立地条件を可視化することができます。
GISの導入実績を参照すると以上のようなメリットを望めます。
また、GISを最大限に活用するための、独自のアプリケーションの開発や個性あふれる自社マップを標準化することで信頼とブランド力を高められると考えています。優先順位は低いが数多ある問題をあえて高度なシステムを用いて解決することで、人材の育成、スキルアップや論理的思考やデータ分析力の向上も期待できます。
☆自分の趣味として…
冒頭でお伝えした私の趣味である考古学や古代史の研究でもGISは必要です。
このシステムの存在はもともと発掘調査報告書で知りました。遺跡は巨大で広大な土地に散らばって存在することが多く、それらを管理するのは非常に大変です。
しかしGISを使えばどこにどんな形の遺跡があり、どのような状態で見つかったか具体的に知る事ができますし、対象物を3Ⅾのデータとして取り込むことができます。古いものはもろく、露出してしまった以上酸化や風化して元の状態を保つことが難しくなるかもしれません。そんな時にデジタルアーカイブとして保存することは重要になってきます。
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------
帰宅するときの最適ルート、食事に行く際にマップで調べたレストランなどGISがあることが私たちの日常の普通になっています。`位置’を活用することで、可能性は無限大に広がります。身近なものだからこそ有効活用して自分の強みにしていきたいものです。
今回は参加して本当に身になりました。実務3日間でしたので実践は正直難しいですが、活用する未来は想像できます!みなさんも社会人だからこそのお金と時間の自己投資、始めてみませんか?次回、第2弾は「恐ろしい鉱物 (石綿作業主任者講習)」です。
お楽しみに⚘⚘⚘
ページ作成日 2025-03-04